薄毛の原因というのは、目に見えるものではないため理解するのが非常に難しいです。その中でも、頭皮環境と薄毛の関係については特に理解が難しい部分でしょう。
自分の頭皮環境が良いのか悪いのかがそもそも分かりにくいですし、頭皮環境が悪いからと言ってどうして薄毛になるのかというのも疑問が残ります。
そんな中、頭皮環境と薄毛がどのように関係してくるのかを分かりやすく理解できる情報を見つけたので、それを紹介しつつ、頭皮環境について解説していきたいと思います。
目次
頭皮環境が悪化すると薄毛になるという根拠
頭皮環境が悪くなると薄毛になりますよ的な情報はよく見かけますが、その根拠がどこにあるのか謎なものが多いです。そんななか、アメリカで行われたとある実験について記述されている本がありました。
張り詰めた頭皮とハゲの関連について、アメリカで赤毛ザルを使って、ある実験をしたという。サルの頭頂部をつまみあげ長方形に切り取り、残った皮を固く縫い合わせ、頭皮を張りつめたようにしておくと、ニ〜三か月後には両側頭部のケアが脱けて薄くなり、やがてハゲてきたというのである。そこで頭頂部の縫合をといたところ、毛は再び以前のように成長してきた。頭皮の緊迫が、毛の成長を大きく阻害するということが、この実験からも説明されているのだ。
出典:脱毛、薄毛の悩みからサヨナラする本 著/健康を守る会 出版/ゴマブックス
この本によると、頭皮が突っ張った状態が持続すると頭皮の血流が悪化し、それにより髪が成長せず薄毛になるとのことです。ハゲている人の頭皮が他の部分の皮膚と違ってテカテカしているのは、頭皮が固くなり突っ張っている状態だからなのです。
頭皮環境が悪いというのはどういう状態なのか
先で説明した突っ張った頭皮というのは血流が悪化している状態なわけですが、血流が悪くなると毛髪にはどのように影響を与えるのでしょうか。
毛髪は毛の根元の丸く膨らんだ部分である毛球部と、長く伸びていく毛幹の2つに分ける事ができます。この毛球部には毛乳頭細胞と毛母細胞という2つの組織が存在しています。
毛乳頭細胞には血管が通っており、頭皮から血液を受け取って毛母細胞に栄養を渡す役割があります。毛母細胞では毛乳頭細胞から受け取った栄養を使って細胞分裂が行われています。毛母細胞が豊富な栄養を受け取り、より活発に細胞分裂を行うことで、毛幹がより成長していくのです。
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頭皮環境が悪化し、血流が悪くなると、毛乳頭細胞は必要な血液、そして栄養を受け取ることができなくなってしまいます。それにより毛母細胞も十分な細胞分裂が行えなくなるので正常な頭皮と比べたときに髪の成長が見込めなくなってしまうのです。
頭皮環境の改善方法
ではどのようにすればより良い頭皮環境を作り、それを維持することができるのでしょうか。そのためには、
- 毛髪に必要な栄養が十分に摂取できている
- 頭皮の血流の状態が良好である
- 毛母細胞が活性化している
という3つの条件を整える必要があります。それぞれの条件を満たす方法について紹介したいと思います
毛髪に必要な栄養を摂取する方法
毛髪は表皮にあたるキューティクル、中心を通っているメディラ、中間のの大部分を占めるコルテックスの三層で構成されており、そのどれもがタンパク質を主成分としています。
つまり、毛髪も人間の体の他の部分と同様にタンパク質でできているため、肉、魚、卵、大豆などからタンパク質を摂取することは重要です。
タンパク質は分解するとアミノ酸になりますが、自然界に500種類ほど存在しているアミノ酸の中でも、特に人の体の形成に関わるものを成長因子(グロースファクター)と呼び、これらのアミノ酸を育毛剤などから摂取するのが有効な手段の一つです。
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頭皮の血流の状態を良好にする方法
頭皮の血行を促進する作用を持つ成分として、
- ニンジンエキスに含まれるシンセノサイド
- センブリエキスに含まれるスウェルチアマリン
などが有効です。
もし育毛剤を使うのであれば、これらの血行促進成分が入っているかを確認してみましょう。
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毛母細胞を活性化させる方法
発毛効果を持つ医薬品として有名なミノキシジルは、毛母細胞を活性化させる効果を持っています。
また、ミノキシジル誘導体で、近い効果を持っているピディオキシジルや、注目成分リデンシルを構成しているセイヨウアカマツ球果エキスに含まれるジヒドロケルセチングルコシドというポリフェノールも毛母細胞の活性化効果を持っている成分として知られています。
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