ピディオキシジルがミノキシジル誘導体と言われる理由とネット上のデマ

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出典:http://capixyl-navi.com/pidioxidil/kouka-fukusayou

最近注目されている育毛剤の成分にピディオキシジルと呼ばれるものがあります。これはボストンスカルプエッセンスやフィンジアに配合されている成分で、ミノキシジル誘導体とも呼ばれています。

このピディオキシジルが持つ育毛効果はどのようなものなのでしょうか。そして、なぜミノキシジル誘導体と呼ばれるのでしょうか。

実はこのピディオキシジル、ネット上で様々なデマ情報が流れていて、正しい情報の方がむしろ少ないという成分なのです。

この成分が一体どういうものなのか、探ってみたのでまとめてみようと思います。

ピディオキシジルとは

ピディオキシジルとは、正式名称がピロリジニルジアミノピリミジンオキシドというとても読みにくい名前の成分の別称です。この成分は昔から使われている生薬とかではないので、あまり情報が無く謎も多い成分です。

誘導体の意味

ミノキシジル誘導体と呼ばれるこのピディオキシジルですが、そもそも誘導体とは何なのでしょうか。

誘導体という言葉を見ると、何かを誘導するもののような気がするのですが、実は物質の構造をほんの少し変えた化合物のことを言います。

つまりミノキシジル誘導体というのは、ミノキシジルと化学式や構造が酷似しているということです。近い構造であれば近い効果を得られつつ、医薬品としての法的な制限を避けたり、副作用を無くしたりということが可能になります。

有機化学の用語のひとつで、ある有機化合物を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のこと。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/誘導体

錯綜しているピディオキシジルの情報

ピディオキシジルは化粧品成分であるため、医薬部外品の成分と違って明確な育毛効果のデータなどをメーカー側が出せないという都合があり、情報がかなり錯綜しています。

化粧品化学研究開発専門誌『フレグランスジャーナル』に掲載されているというデマ

なぜか化粧品化学研究開発専門誌のフレグランスジャーナルに掲載されているという情報をネット上でよく見かけるのですが、実際に見てみた方の情報によると、ピディオキシジルに関する情報は無かったようです。

確かに、育毛・発毛研究の特集はありましたが、ピディオキシジルについては何一つ書いてありませんでした。

出典:http://agataikenki.sakura.ne.jp/2016/03/27/pidioxidil2/

まゆ毛美容液の成分として人気があったが…

ネット上に、『まつ毛』美容液の成分という解説がよくあるのですが、実はこれもデマ情報です。

正しくは『まゆ毛』美容液『スカルプD ボーテ ピュアフリーアイブロウ』の成分です。このまゆ毛美容液にはキャピキシル、ピディオキシジルが含有されています。これは2013年12月24日に発売されていますので、育毛剤よりもまゆ毛美容液の成分として含有されたのが先のようです。

まつ毛美容液の成分として紹介しているサイトには注意しましょう。

※ボストンスカルプエッセンスは2015年4月発売

※フィンジアは2015年8月発売

ミノキシジルとピディオキシジルの比較

臨床実験データなどが公開されていないので、あくまで育毛剤販売会社の宣伝の内容になってしまうのですが、ピディオキシジルはミノキシジルと比較すると以下のようなメリットがあります。

頭皮に浸透しやすい

ミノキシジルは頭皮への浸透力が低く、浸透させるためには頭皮に良くない添加物等を使用する必要があります。

ピディオキシジルは頭皮への浸透力がミノキシジルより高く、添加物に頼る必要がありません。そのため、頭皮への刺激が少なく済むというメリットがあります。

副作用が無い

ミノキシジルは副作用の高い医薬品成分として有名です。元々は血圧を上げるための薬なので、血圧を上げることによる頭痛、めまい、胸の痛みなどの症状があります。

ピディオキシジルははじめから育毛のための成分として開発されたものですので、そのような副作用はありません

副作用が心配でミノキシジルを避けていたという方でも、ピディオキシジルには手を伸ばす事ができます。

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