薄毛対策に用いられるサプリメントの成分として、最も人気のある成分の一つが亜鉛です。
亜鉛はミネラルの一種です。体内に貯蔵する場所が無いため、毎日一定の量(成人男性で10mg程度)を摂取するのが理想だと言われています。
この亜鉛ですが、体にどのような影響をもたらす成分であって、薄毛とどのように関わってくるのでしょうか。また、亜鉛サプリメントを摂取することにより、薄毛対策の効果はあるのでしょうか。
今回は、亜鉛サプリメントについて詳しく解説したいと思います。
目次
亜鉛が体にもたらす影響
体内の酵素となり、タンパク質から体の組織を作る
亜鉛は体内の酵素をの構成成分で、300種類以上の酵素の構成成分になります。これらの酵素があることで、タンパク質が体の組織の細胞へと変化します。もし亜鉛が不足すると、酵素の働きが弱まり、体の組織を正常に作り出す事ができなくなります。
亜鉛は生体組織内において,酵素の構成成分,つまり金属酵素として存在しています。生体の維持に欠かせない多くの酵素において,酵素蛋白質の特定部位と結合し,活性の中心をなしているのです。特に,亜鉛は核酸・蛋白・糖・脂質代謝やDNA・RNAの合成に関与する酵素に不可欠で,生体機能に重要な役割をはたしています
出典:http://www.zeria.co.jp/all/all03_01.html
不足すると、男性ホルモンの量が減る
亜鉛サプリメントというと、薄毛対策のサプリメントというよりは精力剤・ED治療のサプリメントとしての方が人気があります。その理由は、亜鉛が不足すると男性ホルモンの量が減るという臨床実験データがあるからです。
以下はアメリカで行われた亜鉛に関する臨床実験についてです。
デトロイトのウェイン・ステイト大学教授、プラサド医学博士が51歳から65歳までの、5人の健康な男性を対象に行った興味深い実験があります。完全な食事管理を行って、1日わずかに1ミリグラムの亜鉛不足の食事を6ケ月間続けました。
その結果、5人中 4人の精子数が減少し、5人中 5人のテストステロン(男性ホルモン)量が低下しました。しかも精子数の減少した4人のうち3人は不妊点を下回る激減ぶりを見ました。その状態では当然ながら、被験者達はインポテンツを訴えました。
そこで正常な食事に戻し、さらに1日30ミリグラムの亜鉛を補った結果、5人が正常に復するのに、16週から20週要したと、プラサド医学博士は報告しています。
出典:http://www.nattoukin.jp/Zn%20aen.htm
亜鉛が不足すると脱毛症の原因となると言われるのはなぜか
亜鉛は毛髪の細胞分裂をするのに必要な成分である
亜鉛を摂取することによって体内の酵素が正常に働くので、亜鉛が不足することによって毛髪の細胞分裂が正常に行われないという可能性があります。
ただ、それは毛髪に限ったことではなくからだ全体のお話なので、亜鉛が毛髪にだけ特別良いというわけではありません。
もし亜鉛不足による脱毛症が発症しているのであれば、髪以外の部分にも何かしらの影響が出ているはずです。もしそのような気配が無ければ、亜鉛を摂取しても特に変わらないということになるでしょう。
男性ホルモンの量はむしろ減った方が良い
亜鉛が男性ホルモンの量を増やすという話ですが、AGA(男性型脱毛症)の原因は男性ホルモンにあるので、これはむしろマイナスの影響とも考えられます。
つまり、亜鉛をサプリメントでわざわざ摂取し薄毛対策したはずが、逆に薄毛を進行させてしまったということにもなりかねません。
とはいえ、体に必要な亜鉛は必要量摂取すべきですし、男性ホルモン量の事を考えて亜鉛を取らないというのは良くないでしょう。
参考:

亜鉛を摂取するのは良いことだが、薄毛対策の有効打とは言えない
男性の薄毛の原因は8割がAGAと言われている事を考えると、亜鉛不足による脱毛症で薄毛になっているというのは非常に考えにくいです。
専門医に診断してもらった等、確実に自分は亜鉛不足による脱毛症だという事が言い切れない限り、亜鉛サプリメントは薄毛対策の有効打とはなりにくいでしょう。
亜鉛サプリメントを摂取すること自体は健康的な事なので、もし他の成分がメインで入っているサプリメントにサブで入っている亜鉛を摂取するくらいで考えておくのが妥当なところです。