臨床実験データで見るプロペシアの効果効能

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薄毛治療薬として用いられるプロペシア。その成分であるフィナステリドは薄毛改善に効果があるとはいえ、実際どのくらいの期間、割合で効果が現れるものなのでしょうか。

医療従事者向けの情報サイトMSDコネクトに詳細なデータが乗っていましたので、それを見ながら解説を加えつつ紹介したいと思います。

まずはフィナステリドの効果をおさらい

フィナステリドの概要を解説したこちらのページや、AGA治療にフィナステリドが効果的であると解説したこちらのページでも触れましたが、もう一度フィナステリドの効果効能について解説します。

AGA(男性型脱毛症)の原因は、男性ホルモンであるテストステロンが、体内の酵素である5αリダクターゼと結合し、ジヒドロテストステロンが過剰分泌してしまうのが原因です。

ジヒドロテストステロンは非常に強力な男性ホルモンであり、過剰分泌が起こると髪が生え変わるサイクルを乱してしまいます。まだ成長しきっていない細い毛の状態で毛が抜けてしまうのです。

フィナステリドは、5αリダクターゼの働きを阻害することで、ジヒドロテストステロンの生成を阻害します。髪の生え変わりサイクルが正常に戻ることで、抜け毛が減り、新しく生える毛がきちんと成長することで薄毛が改善されるというわけです。

国内のデータで見る1年間でのAGA改善率

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20〜50歳のAGA患者を、

  • 何も効果のないプラセボを投与
  • プロペシア0.2mgを投与
  • プロペシア1mgを投与

という3つの群に分け、1年間様子を見てデータ化したものです。

このデータからは、

  • プラセボ(プロペシアを投与しなかった場合)でAGAが改善することはほぼ無く、2割程度の患者はそのまま進行してしまう。
  • プロペシアを投与した場合、5割強の患者が改善という結果が見られたが、5割弱の患者は改善しなかった。しかしAGAが進行してしまったという患者は明らかに少ない。
  • 0,2mgと1mgでの差はほとんど無く、プロペシアの量を増やすことでより効果が期待できるというわけではなさそうである。

ということが読み取れます。

続いて3年間のデータ

今度は3年間の国内データです。1年間のデータとは違い改善の程度が細分化されているところに注目です。

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プロペシア1mgを3年間投与した患者を、

  • 著明改善
  • 中程度改善
  • 軽度改善
  • 普遍
  • 軽度進行
  • 中程度進行
  • 著明進行

の6つに分け、頭頂部と前頭部でそれぞれデータ化したものです。

画像を見てもらうと分かるように、著明改善と中程度改善は、結構な薄毛がフサフサと言えるレベルにまで改善しています。

3年間の投与で4割程度の人が中程度以上に改善を見せ、進行してしまった人はほぼいなかったという結果です。

たくさんの患者の中での一部の写真なので言い切ることはできませんが、もともと薄毛の進行度が強い人ほど大幅な改善を見せているようにも感じます。

最後にまとめ的なデータを見てみましょう。

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これはプロペシアの服用でAGA治療を行った患者の改善率を、1年ごとにデータ化したものです。

1年で58%、2年で68%、3年で78%以上が軽度以上の改善を見せたようです。

このデータを見れば、プロペシアの服用に対しどれくらいの期待を持って良いのかが分かりそうです。

MSDコネクトのデータは信頼度が非常に高い

基本的にこのようなデータというのは、その成分を開発した会社が商品アピール目的でデータを出すものです。つまり、見せたい部分だけを目立たせたり、都合の悪い部分は隠したりということが考えられます。

しかし、MSDはプロペシアの開発を行ったわけではなく、販売を行っているというわけでもありません。こういった第三者視点のデータは非常に信頼度が高いと言えるでしょう。