毛髪というのは、一度生えた毛がそのままずっと残り続けるのではなく、一定の期間で生え変わるようになっています。この生え変わりの期間をヘアサイクル(もしくは毛周期)と呼びます。
抜け毛が多かったとしても、その分生えてくる毛が多ければ薄毛にはなりません。逆に、抜け毛が少ないのに、生えてくる毛がもっと少なければ薄毛の原因になり得ます。
薄毛の原因と対策を考える上で、ヘアサイクルとは何かを理解することは非常に重要です。ですので、今回はヘアサイクルについて詳細な解説をしたいと思います。
ヘアサイクルの3分類
毛が生え始めてから抜け落ちるまでの1サイクルは、
- 成長期
- 退行期
- 休止期
の3つに分類されます。
成長期(2〜6年)
まずは毛母細胞が細胞分裂を起こし、毛穴の中に小さな毛が誕生します(成長初期)。次第に毛のサイズが大きくなり、毛穴の外に毛が出てきます(成長中期)。最終的には毛髪として完全な状態になり、短かった毛がどんどん伸びていきます(成長後期)。
退行期(2〜3週間)
人間の毛髪というのは永遠に伸び続けるわけではなく、どこかの段階で伸びが止まります。特に男性の場合は伸びが止まるくらいの長さにする前に切ってしまうことがほとんどなので実感しにくいかもしれません。
休止期(2〜4ヶ月)
伸び切った毛は新しい毛に生え変わるため、抜ける段階に入ります。毛母細胞と毛幹が切り離され、毛が枕元や排水口にたまったり、カーペットにからまったりするのです。
正常な人で1日に50本〜100本程度の髪が抜けています。このくらいの抜け毛であれば自然なことですので、特に抜け毛の多さを気にする必要はありません。
日本人の髪は平均で約10万本あります。ヘアサイクルから計算すると、1日あたり50~100本程度の髪が抜けることになります。成長した髪がこの程度の本数抜けるのは自然な生理現象で、抜け毛を心配する必要はありません。しかし、短く細い抜け毛が増えてきたら、薄毛になりかけている可能性があります。
出典:http://www.kao.com/jp/haircare/thining_01.html
薄毛の原因はヘアサイクルの崩壊
薄毛の主な原因は、ホルモンの影響等によってヘアサイクルが崩れてしまうことにあります。
例えばAGAの場合、ジヒドロテストステロンによって成長期通常よりも早く終了し、退行期に移行してしまうのです。まだ成長前記〜中期にあるような小さな毛が、伸びる前に抜けてしまうのです。
参考:

髪の長さが5cmくらいなのに、抜けている毛を見ると1cmくらいの細い毛しかないという場合はヘアサイクル崩壊のサインです。
育毛剤を使用する、薄毛治療クリニックに通う等の対処が必要になるでしょう。