美容師にヘアカットをしてもらったら、思った以上に短くなってしまった。ショートに飽きてロングにしたい。など、短い髪を長く伸ばしたいと思うことがあるでしょう。
そんなとき、髪を伸ばす方法として育毛剤というのが頭に浮かびますが、育毛剤に髪を伸ばすことはできるのでしょうか。また、伸びるとしてどの程度の効果があるのでしょうか。
今回は、育毛剤の効果についてを”髪を伸ばす力”という視点で解説してみようと思います。
髪が伸びるメカニズム
まず髪がどのようなメカニズムで伸びているのかを知っておきましょう。
毛髪の根本の部分に当たる毛根ですが、毛根には毛乳頭細胞と呼ばれる中枢部分があります。この毛乳頭細胞は頭皮の血管と繋がっており、栄養を受け取る力を持っています。
毛乳頭細胞で受け取った栄養は毛母細胞に送られ、そこで細胞分裂が行われることによって毛髪が成長します。
髪は、頭皮(地肌)から出ている「毛幹」と、頭皮(地肌)の中にある「毛根」とに分けることができます。私たちがふだん「髪」と呼んでいるのは毛幹で、髪が成長するのは毛根の先のふくらんだ「毛球」のほう。毛球にある「毛乳頭」が、「毛母細胞」に対し、髪の成長を促したり、止めたりする指示を出しています。髪の成長を促す指示が出ると、毛母細胞が分裂し、それが髪となって毛根から押し上げられるように成長します。
出典:http://www.kao.com/jp/haircare/thining_01.html
毛乳頭細胞や毛母細胞については別の記事で詳細に解説しています。

育毛剤の効果と髪を伸ばす力
育毛剤に含まれる成分には”毛母細胞を活性化させる成分”や毛乳頭細胞に送るための栄養成分”などが含まれているので、育毛剤には髪を伸ばす効果があると言えます。
育毛剤によく含まれている成分について具体的な解説をすると、
センブリエキス…センブリエキスに含まれるアロマゲンチンには毛母細胞を活性化させる効果がある。
酢酸トコフェロール…ビタミンEの欠乏を改善することによる血行促進効果
成長因子…毛母細胞の成長力を維持するKGF(ヒトオリゴペプチド-5)、毛母細胞を活性化させるIGF(合成遺伝子組み換えヒトポリペプチド-31)
などがあります。
これらの毛髪の成長を促す成分が含まれている育毛剤であれば、髪を伸ばすということも理論的には可能です。
効果はあるが、劇的な伸びは期待できない
育毛剤で髪を伸ばすことは可能と書きましたが、髪の成長速度が倍になったりという劇的な効果は期待できないでしょう。
なぜなら、育毛剤というのは半年や1年といった長期間での使用が前提であり、1本1ヶ月分を使い切ったところで大きな効果を得られるものではないからです。
髪を伸ばすといっても、半年かけて育毛剤を使うくらいなら、何もせず半年待っておけばかなり伸びるでしょう。そう考えると、育毛剤に髪を伸ばす効果を期待するのは現実的ではありません。
それを理解した上で、ほんの少しでも効果があるのであれば是非使いたい、と考える方は育毛剤を使ってもいいと思います。