現在、薄毛(その中でも特にAGA)の治療方法として最もメジャーなものがフィナステリド含有医薬品プロペシアの服用です。
どのAGAクリニックでも、軽い診断の後はプロペシアの処方箋を出し、服用後の経過を観察するというのが基本となっています。
プロペシアが最も効果的な薄毛治療の方法であり、それ以外に効果的な治療法は無いと誤解されている方も多いですが、プロペシアの服用以外にも効果的な薄毛治療の方法はたくさん生まれています。
今回は、プロペシア以外の薄毛治療薬や最新の治療法、育毛法について解説してみようと思います。
プロペシアも古くなりつつある
プロペシアがFDA(米国食品医薬局)から薄毛治療薬として認可されたのは1997年の事であり、今から約20年前の産物ということになります。化学薬品の研究が日々進歩している事を考えると、プロペシアも歳を取ったと言えるかもしれません。
この20年という時間に、様々な薄毛治療法や育毛法について研究が進んでいます。ここで理解しておくべきこととして、きちんと医学的な根拠のある薄毛治療法が、必ずしも医薬品として認可される訳ではないという事があります。
医薬品ミノキシジルタブレット
薄毛治療薬として認可されているもう一つの医薬品にミノキシジルタブレットがあります。ミノキシジルタブレットという言葉は通称であり、正しい商品名としてはNoxidil(ノキシジル)やLoniten(ロニテン)などがあります。
これらは医薬品として認可されているものですが、副作用が強力であるため安易な服用は危険です。

私たちは”医薬品”や”認可”という言葉になんとなく説得力を感じてしまいがちですが、今回はそれとは違うものに目を向けてみましょう。
進化した最新の育毛剤
プロペシアが日本で知名度を高めた頃、日本で販売されていた育毛剤は、とても質が良いと言えるものではありませんでした。入っている成分と言っても「頭皮の炎症を抑える成分」や「結構を促進する成分」が入っている程度で、育毛効果があると言って良いのか疑問が残るものでした。
そのせいか、育毛剤なんて気休めで大した効果は無いという認識も広まってしまったように思います。
最近の育毛剤には、臨床実験によって育毛効果が確認され、そのデータがきちんと公表されたものが含有されはじめました。
ミノキシジルと同等の効果があると言われているM-034、ミノキシジルの3倍に相当する毛髪成長効果が確認されたキャピキシル、ミノキシジル誘導体であるピディオキシジルなどがあります。
各成分については個別に解説ページがあるのでそちらをご覧ください。

低レベルレーザー医療装置
医学的な根拠がある治療法として、低レベルレーザー医療装置というものがあります。日本ではあまり浸透していませんが、アメリカやイギリス等の百貨店で販売され、人気のある商品です。
手に持つことができるサイズの器械からレーザーを照射するこの装置ですが、きちんと臨床実験データが開示され、FDAでも認可を受けています。
詳細なデータはこちら(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/results/NCT00947219)にて開示されていますが、英語なので、データの部分だけ引用してまとめます。
AGAと診断された男性の16週と26週の毛髪量の変化(1平方センチメートルあたり)。
レーザーを12回照射
16週目23.5本 26週目25.7本
レーザーを9回照射
16週目20.4本 26週目20.9本
根本治療が可能な毛髪再生治療
プロペシアは服用している間しか効果を得られないので、副作用等で服用をやめた場合は元の薄毛に戻ってしまうというデメリットを持っています。
それに対して、数十万円〜100万円前後という高い費用は掛かるものの根本治療が可能なのが毛髪再生治療です。
毛髪再生治療は、頭皮に直接成長因子を含んだタンパク質を注入することで、毛髪が生える状態を作る事ができます。
毛髪再生治療については別の記事で詳しく解説しているのでご覧になってみてください。

様々な治療法から自分にあった治療法を選ぶ
薄毛の治療法、育毛の方法は様々です。これしかないと思い込まず、それぞれの特徴、メリット、デメリットを理解して、自分に適切なものを選べるようになると良いでしょう。
安易に医薬品に頼る事だけが薄毛治療ではないということを知っているだけでも、様々な選択肢が出てくるかと思います。